オカメインコの挑戦 2

『インコに気持ちを伝える本』を読んで

今年も終わりですね。2011年の「今年の漢字」は「絆」でした。この年末になってもラジオやテレビで「絆」という言葉をよく耳にしました。10月27日から11月9日までの今年の読書週間のテーマは「ホントノキズナ」でした。私は、オカメとの絆を意識して、『インコに気持ちを伝える本』(細川博昭著)を手にとりました。今年の8月に出版された本です。今回はその本について紹介したいと思います。

この本では、最初の4つの章で鳥の心理や行動の意味などについて説明がなされ、それをもとに鳥と人との意思疎通の方法が説明されます。本書が強調するのは、鳥と人との意思疎通は、その鳥の習性や個性、性別や年齢、健康状態など、鳥の立場に基づくべきであるということです。気持ちを伝えるには、まず、その鳥の気持ちを理解する必要があります。

本書の考え方に従えば、たとえば、鳥に口笛を覚えて欲しいならば、鳥の口笛への興味を見つけ出して、そこから才能を開花させる必要があります。逆に言えば、その鳥がどのような鳥であるかを無視して一方てきに口笛を覚えさせようとすることには問題があります。私が最も興味を覚えたことは、筆者がトレーニングについて問題提起していることです。

著者は「しつけ」や「おやつを使って教え込む」ことについて批判的です。鳥の気持ちが軽視されて飼い主の願望が優先されている場合があるのではないかと指摘しています。私は、トレーニングについてよいことを見聞きして、さほど疑問を覚えずにそれを実践してきたので、筆者の意見にどうこたえるかは置いておくとして、感心させられました。

著者の飼育哲学というか、倫理観が反映されていることが本書の特色であると思います。ところどころに筆者の経験とその主観的解釈も述べられているので、よりユニークです。著者の考えや解釈についてはは部分的に賛否が分かれそうですが、それだけに並の飼育書にはない魅力があります。著者のほかの本も読みたくなりました。

あと数時間で新年です。みなさんと生き物たちによい年が訪れるよう祈ります。

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読書の秋 2009

読書の秋真っ最中ですね。今回は、最近読んだお勧めのオカメ関係の本一冊について。洋書ですが、高校2年生くらいの人であれば十分に楽しめると思います。



Why Do Cockatiels Do That?: Real Answers to the Curious Things Cockatiels Do


 オカメインコに関するちょっとした疑問とそれへの回答が全部で20ペアくらい。

どうしてオカメには冠羽があるの?
どうしてオカメは嘴をジョリジョリさせるの?
どうしてオカメは片足立ちで眠るの?
どうしてオカメは噛み付くことがあるの?

こういった疑問に対する回答が載せられています。
目次を見て、かなり惹きつけられました。シンプルだけれどオカメ飼いに訴えかける疑問が多いです。中には「はっきりした理由は知られていないが・・・とも考えられている」といったような回答もありました。なるほど、リアル・アンサー。意外にオカメには謎が多い。オカメに訊くことができればわかるだろうなとも思いますが・・・。


fubutoui「フブはどうして眠る前に嘴をジョリジョリさせるの?」

フブ「そうしたくなるから。fubutouiはどうしてあぶくだらけの棒をしゃかしゃかさせるの?」


案外、そんなやりとりになってしまうかも。オカメに関する"Why"はフブ自身も知らないのかもしれません。ちなみに、フブは歯磨きの音が大好きです。

この本の数々の挿絵もまた面白いです。上の画像のような愛嬌があるオカメたちが話題に沿って描かれています。日本人が描くものと趣が違うと思いました。



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鸚鵡の葬送行進曲

アルカン2

不吉なタイトルですが、実在する曲です。正確なタイトルは、「ある鸚鵡の死に寄せる葬送行進曲」"中村攝の解説したアンサンブル2E2Mドゥーズー・ドゥーゼムによるアルカン作品集"というCDに収められている一曲です。19世紀の作曲家アルカンの作品です。曲のタイトルが気になったので聴いてみました。



この曲の一部はフランス語の歌になっています。その部分の解説書の訳文は以下のとおり。

As tu de jeune,Jaco? ご飯たべたかい、ジャコー?
Et de quoi?  何を?
Ah!  ああ!

この3つの文がそれぞれ何度か繰り返し歌われます。ジャコーというのは曲名の中の「あるオウム」の名だと思います。この言葉を発しているのは飼い主ではなく、ジャコーであるという設定でしょう。さもなければ、この奇声は鳥飼いを馬鹿にしているかのようです。飼い主が心配してジャコーに話しかけているうちに、ジャコーがそれを覚えてしまったのでしょう。それを回想して作られた曲ではないかと思いました。そうだとすると悲しいですね。病鳥をもつと、食欲と体重がとても気になります。

解説書に載っていたこの曲に関する作者のコメントは以下のとおり。

This reminiscence is due to a purely omithological coincidence.The judicious admirers of the GAZZA LADRA are therefore kindly requested to refrain from attributing any intention of impertinence to the author of the" PAPPAGALLO DEFUNTO.

正直なところ、私は彼のコメントをよく理解できなかったのですが、やはり、あの歌声は鳥を模したもののようです。ロッシーニの「泥棒かささぎ」をパロった曲でもあるようです。そういういたずら心がこめられているようなので、自身のオウムの死を悼んで作ったものかどうか少し疑わしくなりました。オウムを飼っていた身近な人を見て作った曲なのかもしれません。



これはアルカンの肖像画。解説書によると、彼の家ではよく鳥が飼われていたようです。彼か彼の家族が鳥好きだったんですね。彼の息子であるピアニストのドラボルド宅には120羽を越える鳥がいたようです。その中にはオカメインコも入っていたかもしれませんね。


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愛鳥週間にお勧めのオカメ関係書籍

今週は「愛鳥週間」です。日本鳥類保護連盟の説明によると、その「愛」の対象は、自然に身を置く鳥ないしそれらを育む自然のようです。

しかし、愛鳥週間の本質は私たちを潤す生命への感謝であると思います。自分の手の上にいるオカメに、或いは、旅立った小さな親友に感謝しない飼い主はおそらくいないことでしょう。そんなオカメ飼いが愛鳥週間に読むに相応しい一冊を簡単に紹介します。



ピーコの声音が聴こえる


本書には一羽のオカメインコを迎えた聴覚障害をもつある夫婦の生活が描かれています。ピーコと名づけられたそのオカメがいかに多くの人を潤したかが伝わってきます。この本には振り仮名がつけられているし、挿絵がたくさん挿入されています。小さな子供と一緒に楽しめます。この本のピーコの絵はピーコの性格にぴったり。上手だなと思いました。

私が特に興味深いと思ったのは、ピーコとその飼い主夫婦が経験した阪神淡路大震災についての話し。なかなか見聞きできないような貴重な経験談であると思います。日頃忘れていますが、こういう災害は人間だけに降りかかるものではないんですよね。


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『癒される日々 ペットの死をこえて』を読んで

『癒される日々 ペットの死をこえて』ゲーリー・コワルスキー 晶文社


本書は「ペットの死、その時あなたは」と異なり、テーマがペットとの死別に特化されています。また、一人の筆者によって執筆されています。『ペットの死、その時あなたは』よりも統一性と深さにおいて優れた本であると思います。


筆者はユニテリアン教会の牧師。本書には「死後の命はあるのか」という問いかけもありますが、どのような死生観につても否定も肯定もされていません。本書では、ペットの意味、その死の意味について理性的に執筆されているので、無信仰の私が読んでも違和感はありません。彼が牧師という職業上の経験から得た知恵が本書に反映されていると思います。

 




癒される日々

各章の始めには、ペットに関する文章の引用が載っていて、それらの引用元にも興味を覚えました。また、随所に興味深い引用がありました。そういった本や一文と知り合えることも本書のよいところだと思います。

 

本書では、ペットロスに陥ったときにいかにすべきかということについてやや具体的に述べられています。その意見の根底には、飼い主も一つの生命なのだから、ペットに対するのと同様、飼い主自身をも愛するべきだという考えがあります。食事を取り、適切に運動すべきといった当たり前のことが書かれています。「そんなことは分かっているよ!」と思うかもしれませんが、そのように自分自身を癒すためにはどのようにペットの死を理解すべきかということが本書全体を通して述べられています。

この本にも安楽死をテーマにした章があります。「生命の質」という言葉がこの本でも出てきます。筆者は安楽死に肯定的です。死があらゆる生き物に不可避であるということから、筆者は死を敵ではなく友となるべきものとして捉えています。飼い主の偽の希望によってペットの苦痛を不必要に長引かせるのではなく、安心してペットが旅立てるように飼い主が配慮することによって穏やかな別れがもたらされうると、筆者は考えています。安楽死については、事前によく考えておくべきだと思いますが、ペットを安楽死させた後に、それについて悩んでいる人にも、この章は応えてくれるのではないかと思います。

 

私が迷わずに「ペット」という単語を使えるようになったのは、この本のおかげです。最近、ペットはコンパニオンアニマルを貶めた言い方という考えが定着しつつあるように思われます。ブログは他の人にも読んでもらうものなので、ペットという言葉を使うことについて少し戸惑いがありました。一方で、私自身はペットという言葉に悪い意味はこめていないので、コンパニオンアニマルという代用語の使用に少し違和感がありました。しかし、「大好きな」「大切な」「身近な」「親密な」といった意味でペットという言葉を使う人にこの本を読んでもらいたいという筆者の言葉を読んで、安心してペットという言葉を使えるようになりました。

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『ペットの死、その時あなたは』を読んで

『ペットの死、その時あなたは』鷲巣月美編 三省堂


この本に直接オカメインコは出てきませんが、ペットロスは少なからぬオカメ飼いが経験することではないかと思います。トゥイの死を契機にペットロスをテーマとした本に興味を持ちました。





本書第四章のタイトルがその書名になっています。ペットの死後についてのみ関心がよせられているかのように思われますが、ペットロスについて多様な視点で執筆されています。ペットロスには生き別れも含まれるということについても、当たり前のことなのですが、気づかされました。一つ一つの小テーマについてはそれほど詳しく書かれていないので、入門書的位置づけが相応しいと思います。


この本では動物病院に行くための準備や動物病院側-飼い主間のコミュニケーションについても触れられています。ペットを失うと、喪失感と共に、ペットが死に至った過程についての感情が生じることがあります。動物病院-ペット&飼い主間の関係は軽視できないことの一つだと思います。


この本はペットの死のための準備やペットの生のクオリティに力点を置いています。それらはペットロスと密接な関係にあると思います。本書では安楽死について生のクオリティを重んじる立場から肯定的に論じられています。この本はペットを失ってからではなく、ペットが元気なときに読むとよいと思います。


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『オカメインコに雨坊主』の紹介

図書館でオカメ関係の本を検索したところ二件ヒットしました。一冊は飼育書。もう一冊は小説でした。オカメの小説は読んだことがなかったので喜んで借りました。それが今回紹介する芦原すなお著『オカメインコに雨坊主』



この本は七つの話しから構成されています。第一話が「オカメインコ」。迷子のオカメを意外な者が連れ戻してきました。その意外な者とは?ぜひ、読んでください。なさそうでありそうな不思議な話しです。各話は緩やかに連続しているので、どの話しから読んでも楽しめます。ちなみに、オカメが登場するのは最初と最後の話しです。

「オカメインコ」だけ読んで返却するつもりでしたが、作品に引き込まれて全話読んでしまいました。人間、動物、雨坊主(幽霊?)、大主岩(祀られている大岩)といった存在者の去来と関わりが幻想的に織り成されています。存在からの派生と帰還という、あらゆる生き物に対する死生観が、直接的・間接的に表現されています。読みやすい哲学的著作としても楽しめると思います。

最後に。この作品に登場するオカメの翼の先は鮮やかな青緑色です。作中でも、めずらしいオカメとされています。やはり、青オカメインコはいるのでしょうか?青オカメインコが気になります。
参照:青オカメインコ


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